リファレンスチェック

リファレンスチェック実施時の違法性を徹底解説【採用候補者の経歴詐称を見抜くため勝手に行うと…!?】

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優秀な人材の確保が年々難しくなる中、近年は採用ミスマッチを避けるため、リファレンスチェックを実施する企業が増加しています。

しかし、実際に実施するにあたり違法性はないのか、不安を感じる採用担当者は少なくありません。

そこで今回は、リファレンスチェックの違法性の有無について徹底解説していきます。

この記事でわかること

  • リファレンスチェクとは
  • リファレンスチェックのメリット
  • リファレンスチェックの質問内容
  • リファレンスチェック実施時の注意点
  • リファレンスチェックの違法性・勝手に実施してよいのか

 

目次

リファレンスチェックとは?

中途採用での採用担当者の最大の悩みは、面接で採用候補者の全てを掴みきれないことでしょう。

その解決方法の1つとして実施されるのがリファレンスチェックです。

 

実際にどのようなチェックを実施するのか確認していきましょう。

 

リファレンスチェックとは

リファレンスチェックとは、企業の中途採用で採用候補者の前職・現職に対して実施される調査を指します。

リファレンスチェックとは

確認にあたって依頼先(推薦者)となるのは、前職・現職の上司や同僚などの第三者で、採用候補者の勤務状況や人柄といった内容についてのヒアリングを行います。

企業は面接時の内容や職務経歴に詐称がないかをチェックするとともに、一緒に問題なく働き得る人物かどうかも確認します。

通常は電話やメールで実施され、採用候補者の情報について裏付けを取るのが主な目的です。

 

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リファレンスチェック実施時の質問例

実際にチェックを実施する際は、どのような質問をすれば良いのか分からない方も多いでしょう。

リファレンスチェックの質問内容

よくある質問としては次の通りです。ともに働くうえで相性の良い人物かをチェックするため、勤務態度や人柄に重点が置かれます。

  1. 採用候補者の業務内容
  2. 職務における実績
  3. 周囲とのコミュニケーションはどうだったか
  4. 長所と短所
  5. 仕事をするうえでの協調性
  6. 仕事をするうえでの改善点
  7. 人柄について
  8. 責任感がどの程度あるか
  9. ミスがあればどのように対応をするか
  10. 機会があればまた採用候補者と働くことを希望するかどうか

 

また、昨今はリモートワークが普及してきたことから、「オンライン完結型」で実施できる安価なサービスを導入する企業が増加しています。

オンラインであれば採用候補者の情報を入力するだけで済み、得られる情報も増えるため主流となってきているのです。

 

リファレンスチェックを採用企業が実施するメリット

リファレンスチェックのメリットまとめ

前職・現職の関係者に対するヒアリングと聞くと、相手を疑っているようでネガティブに捉える採用担当者もいるのではないでしょうか。

しかし、チェックを実施することは企業にとって多くのメリットがあるのです。

 

リファレンスチェック実施のメリット➀:採用候補者の経歴詐称を見抜く

リファレンスチェックのメリット①_経歴詐称の検知

リファレンスチェックが実施できれば、採用候補者の経歴詐称を見抜けます。

前職での実績や業務内容は採用候補者の自己申告である以上、事実かどうかを見抜くことは不可能です。

しかし、前職・現職の依頼先(推薦者)にヒアリングを行えば経歴詐称を事前に察知でき、採用企業としては安心につながります。

 

リファレンスチェック実施のメリット➁:採用企業と採用候補者のミスマッチを防ぐ

リファレンスチェックのメリット②_ミスマッチ防止

採用担当者を悩ますのは採用候補者と企業のミスマッチです。

書類選考で経歴を確認して採用候補者を絞り込み、面接で志望動機や人柄を見極めるのは簡単ではありません。

いざ採用してみたら、ミスマッチが原因で離職してしまったケースは少なくないのです。

 

その点、リファレンスチェックは予め採用候補者の適性・相性を見極めるのに効果的な手法と言えるでしょう。

 

リファレンスチェック実施のメリット③:採用選考を効率化する

リファレンスチェックのメリット③_採用工数の削減

リファレンスチェックを取り入れれば採用選考を効率化できます。

採用選考プロセスは採用担当者や受け入れ先となる部署に大きな負担がかかります。

書類選考、面接、内定通知後の受け入れ準備から入社後の育成まで、多くの工数と人員を要します。

 

リファレンスチェック実施は違法?

リファレンスチェックの違法ケースまとめ

リファレンスチェックを実施するうえで、採用担当者が最も気になるのは違法性の有無でしょう。

採用候補者の個人情報を取得する行為となるため当然の疑問です。

 

それでは、どういったケースで違法となるのかを見ていきましょう。

 

リファレンスチェックを採用候補者の同意なしで実施すると違法

リファレンスチェックの違法ケース①_採用候補者の合意なし

法律ではリファレンスチェックそのものは禁止されていません。

しかし、採用候補者に関する情報は個人情報保護法における「個人データ」に該当するため、本人の同意を得ずに実施した場合は違法です。

 

第四章 個人情報取扱事業者の義務等

第一節 個人情報取扱事業者の義務

(利用目的による制限)

第十六条 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。

2 個人情報取扱事業者は、合併その他の事由により他の個人情報取扱事業者から事業を承継することに伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ本人の同意を得ないで、承継前における当該個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えて、当該個人情報を取り扱ってはならない。

個人情報の保護に関する法律(平成15年5月30日法律第57号)

また、依頼先(推薦者)の企業もコンプライアンスがしっかりしている企業であれば、採用候補者本人の同意を確認できない以上、個人情報の提供を拒否するはずです。

なぜなら、本人の同意を得ずに、個人情報を第三者に伝えることも違法となるためです。

 

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リファレンスチェック結果を理由に採用内定を取り消すと違法

リファレンスチェックの違法ケース②_採用内定取り消し

採用候補者に内定通知を行っておきながら、リファレンスチェックを理由に内定を取り消すと違法になります。

 

そもそも雇用契約は、採用候補者に内定通知を行った時点で成立しているものと法律的には解されています。

なぜなら、採用候補者は内定通知を受けた時点で、現在勤めている会社の退職準備や他企業の選考辞退などを進めるからです。

そのため、内定取り消しは「解雇」にあたり、労働契約法第16条における「解雇権の濫用」についての規定が適用されます。

 

解雇が可能なのは「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当である」と認められる場合のみです。

リファレンスチェックを理由とした内定取り消しが可能と思われる事情は、経歴詐称や前職で重大な懲戒処分を受けている場合でしょう。

人柄や仕事ぶり、または前職を解雇されているといった事情では、解雇相当と認められる可能性は低いです。

 

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リファレンスチェック実施時に採用企業が注意すべきこと

リファレンスチェック実施時の注意点まとめ

企業がリファレンスチェックを実施する際は、いかなる場合も法に則って行う必要があります。

違法とならないよう、以下の3点に注意しましょう。

 

リファレンスチェック実施の注意点➀:採用候補者の同意を取る

リファレンスチェック実施時の注意点まとめ①_採用候補者の同意をとる

すでに述べた通り、採用候補者の同意なくチェックを実施することは、個人情報保護の観点から違法です。

実施する際は必ず採用候補者から承諾を得てください。ただ、採用候補者の中にはリファレンスチェックが何かを知らず、抵抗を感じる方も少なくありません。

 

どのような調査が行われるのか、不安に思う方が出てくるのは当然のことでしょう。

そのため、採用担当者は実施目的や調査の進め方を分かりやすく説明する必要があります。

口頭だけでなく文書にまとめるなど、採用候補者の理解が得られるよう努めましょう。

 

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なお、採用企業がリファレンスチェックを調査会社に外部委託するのであれば、調査会社へ個人情報を提供することにも同意してもらわなければなりません。

企業自身で実施する場合と外部委託する場合のいずれのケースでも、採用候補者から得た同意は必ず文書などで保管することをお勧めします。

 

リファレンスチェック実施の注意点➁:取得した採用候補者の個人情報を適切に取扱う

リファレンスチェック実施時の注意点まとめ②_個人情報の適切な取り扱い

リファレンスチェックで取得した採用候補者の個人情報は、個人情報保護法の規定を遵守して適切に取り扱わなければなりません。

そのためにも、採用企業側は十分な体制を構築する必要があります。

 

具体的には、関係部署において「個人情報の安全管理」や「従業員や委託先への監督」などが挙げられます。

個人情報の取得・利用に関するルールを周知徹底したうえで、情報漏洩が生じないよう保管管理を厳しく行わなければなりません。

 

リファレンスチェック実施時の注意点③:採用内定前にリファレンスチェックを実施する

リファレンスチェック実施時の注意点まとめ③_内定前に実施

リファレンスチェックの結果を理由に内定取り消しを行うと、違法と判断される可能性が高いのはすでに触れた通りです。

明らかな経歴詐称があれば別ですが、人柄やミスマッチなどは理由になりません。

トラブルを事前に回避するためにも、内定通知はリファレンスチェックを実施し、問題がないことを確認できてから行うのが安全です。

 

リファレンスチェックと採用調査(バックグラウンドチェック)の違い

採用担当者の中には「採用調査(バックグラウンドチェック)」と「リファレンスチェック」の違いにピンと来ない方もおられるでしょう。

どちらも採用に向けての調査ではあるものの、本質的な目的に大きな違いがあります。

 

リファレンスチェックと採用調査(バックグラウンドチェック)の違い

リファレンスチェックとバックグラウンドチェックの違い

リファレンスチェックの大きな目的は、経歴詐称のチェックとともに「採用候補者と採用企業の相性」を確認することに重点が置かれています。

前職での実績、勤務態度や人柄など、書類や面接で見えづらい部分を補完する役割も兼ねているのです。

 

対して、採用調査(バックグラウンドチェック)は「背景調査」とも言われ、経歴詐称だけでなく「学歴」「犯罪歴」「破産歴」「反社チェック」「訴訟記録」などの調査も含め幅広く行われます。

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信用調査のような、採用企業の不利益になる人物を事前に洗い出すことが目的と言えるでしょう。

採用企業自身で実施するケースはほぼなく、調査会社へ委託するのが一般的です。

 

リファレンスチェックより採用調査(バックグラウンドチェック)は違法性が高い

採用調査(バックグラウンドチェック)は、調べる内容が業務と関わりのないプライベートなものにも及ぶため違法性が高いです。

採用する立場からすれば、犯罪歴や訴訟記録を知りたいと考えるのも当然のことでしょう。

 

しかし、職業安定法5条の4第1項では「業務の目的達成に必要な範囲内」でしか個人情報の収集は認められていません。

採用調査(バックグランドチェック)で収集する個人情報は、業務とは無関係なものが少なくないため違法性が高いとされます。

 

 

リファレンスチェック実施時の違法性まとめ

リファレンスチェックは、採用候補者に経歴詐称がないかチェックするとともに、採用企業との相性を確認するための有効な手段です。

しかし、採用候補者の同意を得てから実施しなければ違法となります。

また、リファレンスチェックの結果を理由に内定を取り消すことも、違法と判断される可能性が高いです。

 

これからリファレンスチェックを実施する予定の企業や採用担当者は、個人情報を遵守しつつ、違法性のない体制を整備する必要があります。

そのうえで適切に運用し、自社にマッチした人材を採用していきましょう。

 

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  • この記事を書いた人

『Parame Magazine』編集部

採用課題や選考手法について解説。 一緒に「ミスマッチのない採用」を目指しましょう…!

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