採用ミスマッチ削減や経歴詐称防止に役立つリファレンスチェック。近年は外資系企業だけでなく、日系企業でもリファレンスチェックを実施する企業が増えています。
そのため、転職活動をしている方でリファレンスチェックを控えている方も多いでしょう。
リファレンスチェックでは、過去の経歴やスキル・実績、人柄などが調査されますが、現在休職中もしくは、過去に休職した経歴があり、不安な方も多いでしょう。
また、リファレンスチェックで休職の経歴がバレることによって、採用に影響しないか心配ですよね。
そこで本記事では、リファレンスチェックの概要や休職はバレるか否か、転職活動に影響しない休職理由などを徹底解説します。
休職経験者でリファレンスチェックを控えている方はぜひご覧ください。
この記事でわかること
- リファレンスチェックとは
- リファレンスチェックで休職はバレるか
- 転職活動で休職がバレるケース3選
- 休職がバレた場合のリスク
- 転職活動で不利にならない休職理由
目次
リファレンスチェックとは?
リファレンスチェックとは、面接や書類では確認できない採用候補者の情報を第三者に聞き出して採用選考の判断材料とすることをいいます。
採用候補者の同意の上で実施されており、前職の同僚や上司が推薦者となることが多いです。
以下の記事では、リファレンスチェックの概要や実施方法、質問内容などを詳しく解説しています。
リファレンスチェック実施企業が増えている背景
リファレンスチェックを実施する企業が増えている背景は、2つ考えられます。
1つ目は、少子高齢化により働き手が減少しており人材獲得が困難になっていることです。
2つ目は現職よりも実力を発揮できる企業へ転職する労働者が増えており、企業の人材流出が増えていることです。
これらのような理由により早期退職者が増えてしまうと、人員の入れ替わりが激しく採用コストの増加につながります。
採用企業はこのような事態を阻止するため、リファレンスチェックによって採用ミスマッチ防止を図ろうとしています。
リファレンスチェックはどのような企業が実施しているのか
リファレンスチェックは、主に外資系企業にて実施されていますが、近年では日系企業での実施も増えています。
エンワールド・ジャパン株式会社の調査によると、中途採用におけるリファレンスチェックの実施状況は以下の通りです。
外資系企業 | 日系企業 | |
認知率 | 93% | 73% |
実施率 | 58% | 23% |
リファレンスチェックは外資系企業が中心となって導入が拡大しています。したがって、現在の日系企業の実施率は低いですが、今後実施を検討する企業は増えていくでしょう。
参考:中途採用における、リファレンスチェック実施状況調査 |外資系企業(グローバル企業) の転職エージェント
採用企業がリファレンスチェックを実施する理由は?
採用企業がリファレンスチェックを実施する理由として、以下が挙げられます。
- 採用ミスマッチ防止
- 候補者の新たな側面を知る
- 経歴詐称の防止
とくに、通常の面接では把握できない候補者の人柄や弱みを知ることができ、採用ミスマッチ防止につながる点は、採用企業がリファレンスチェックを実施する大きな理由となっています。
採用候補者がリファレンスチェックを受けるメリット3選
採用候補者がリファレンスチェックを受けるメリットは以下の3つです。
【採用候補者がリファレンスチェックを受けるメリット】
- 人柄や実績を客観的に伝えられる
- 入社後のミスマッチを防止できる
- 効率的に採用選考を進められる
順に解説していきます。
メリット1:人柄や実績を客観的に伝えられる
リファレンスチェックの実施により、採用候補者自身で伝えきれない強みや実績などのアピールが可能です。
書類や面接による主張は主観によるものであり、また時間やキャパシティも限られています。客観的な評価を取り入れることで、採用企業は選考材料を増やし精度の高い判断が可能となります。
自分では気づいていない人柄としての魅力を、第3者から伝えてもらえることも大きなメリットです。
メリット2:入社後のミスマッチを防止できる
リファレンスチェックを通じて、採用企業は採用のミスマッチを防止することができます。
面接で見抜けない採用候補者の新たな強みやネガティブな部分など、多角的な情報・評価を推薦者から得たうえで、採用するか決定できるからです。
また社内の雰囲気に馴染めそうかスキルを発揮できそうかなど入社後のイメージを掴むことで、双方にとってメリットのある結果を生み出せるでしょう。
採用ミスマッチについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
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メリット3:効率的に採用選考を進められる
リファレンスチェックの実施は、採用選考の効率化を可能とします。
採用企業と合わない採用候補者をスクリーニングし、面接ではリファレンスチェックでの情報を元に質問を深掘りできるからです。
働きながら転職活動を実施している採用候補者にとって、採用選考の時間を短縮できるのは大きなメリットだといえます。
リファレンスチェックで休職がバレる?転職活動の悩みを解決!
休職中の採用候補者がリファレンスチェックを受けた場合、休職の経歴はバレてしまうのでしょうか?
以下では、休職中に転職活動を行う採用候補者に関する悩みについて徹底解説します。
休職とは
休職とは、労働者の都合で中長期的に会社を休むことです。休職理由は、病気やケガ、介護などさまざまです。
また、期間は会社の就業規則によって異なりますが、1ヶ月から1年ほどが多いです。
休職者に対して、企業は給与を支払う義務はありません。
しかし、各社の就業規則によっては休職中でも給与が支給される場合もあります。
また給与とは別に、条件次第で国から傷病手当金を受け取れることがあります。
リファレンスチェックで休職はバレる
結論、リファレンスチェックの実施により、採用候補者が休職した経歴はバレます。
現職の上司や同僚が推薦者となることが多いからです。
休職中に転職活動をすること自体は禁止されていませんが、あまりいい印象は受けないでしょう。
転職活動で休職がバレるケース3選
リファレンスチェック以外にも、転職活動中に休職している事実がバレてしまうケースがいくつかあります。
【転職活動で休職がバレるケース】
- SNSで休職をアピール
- 源泉徴収票提出時に在籍期間と給与額が合わない
- 住民税の納税額が極端に少ない
順に解説していきます。
ケース1:SNSで休職をアピール
TwitterやInstagramなどのSNSで休職しているとわかる投稿をしていれば、採用担当者に見られた際に休職がバレてしまう可能性があります。
最近は個人情報の取り扱いが厳しくなり確認しない採用企業も増えていますが、業界によっては外部に調査を依頼することもあるので要注意です。
ケース2:源泉徴収票提出時に在籍期間と給与額が合わない
転職後には前年度の源泉徴収票の提出を求められますが、その際に休職していた事実がバレる可能性があります。
休職中は給与の支払いがされないため、源泉徴収票に記載されている金額が休職していなかった場合に支払われる予定の金額より少なくなっているためです。
ケース3:住民税の納税額が極端に少ない
休職していた事実は、住民税の納税額によってバレてしまう可能性も高いです。
住民税は前年度の所得によって決まります。
あまりにも住民税の納税額が低いと、休職を疑われるでしょう。
リファレンスチェックで休職がバレた場合のリスク3選
もしリファレンスチェックで休職していることがバレてしまうと、以下のようなリスクがあります。
【リファレンスチェックで休職がバレた場合のリスク】
- 内定取り消しや解雇になる可能性がある
- 業務への支障を不安視される
- 面接後に発覚した場合は不信感を抱かれる
順に解説していきます。
リスク1:内定取り消しや解雇になる可能性がある
リファレンスチェックで休職していることがバレると、内定取り消しや解雇になる可能性があります。
本来リファレンスチェックで内定を取り消すことは禁止されていますが、採用企業に支障をきたす場合は例外です。
業務を遂行するにあたって支障となる過去の持病や経歴があった場合には、、採用企業にとって不利益を被る可能性があるため、内定取り消し・解雇になることもあるでしょう。
リスク2:業務への支障を不安視される
休職理由が病気・ケガや介護などで、完治・状況が改善されていない場合、採用企業は業務に支障が出ないか不安になるでしょう。
仮に入社できたとしても、入社後に大きな仕事を任せてもらえなかったり、希望する部署に配属してもらえないケースも考えられます。
リスク3:面接後に発覚した場合は不信感を抱かれる
面接後に休職していたことが発覚した場合には、履歴書や面接での回答でも嘘をついているのではないかと不信感を抱かれるでしょう。
このように信頼を失うと、入社後にも隠しごとや嘘をつくのではないかと思われ採用に影響する可能性が高いです。
転職活動で不利にならない休職理由もある
転職活動において休職の事実が不利に働くことが多い中、あまり不利にならない理由もあります。
- 休職中の病気やケガが完治している
- 留学や勉強など目的を明確にして休職した
これらのケースです。
逆に、うつ病や訴訟問題、家庭の事情による休職は、内容や状況によっては入社後の働き方に支障が出ると判断され、採用に影響する可能性が高いでしょう。
休職者がリファレンスチェックを成功させるポイント3選
休職している採用候補者がリファレンスチェックを成功させるポイントは以下のとおりです。
【休職中の採用こほしゃがリファレンスチェックを成功させるポイント】
- 書類や採用面接で嘘をつかない
- 信頼できる推薦者を選ぶ
- 丁寧に依頼する
順に解説していきます。
ポイント1:書類や採用面接で嘘をつかない
採用企業への提出書類や採用面接において嘘をつくのは避けた方がいいです。
虚偽の申告が発覚した場合、採用される可能性はほとんどありません。
休職の事実もリファレンスチェックの実施によって知られることになるので、初めから正直に伝えておくべきでしょう。
ポイント2:信頼できる推薦者を選ぶ
リファレンスチェックに回答する推薦者を採用候補者が決める際は、できるだけ関係が良好で信頼できる人を選ぶべきです。
関係が良く信頼できる推薦者であれば、人柄や実績などを嘘のない範囲で転職に有利なように回答してもらいやすいでしょう。
また、休職に関する質問に対しても、ある程度配慮してくれるかもしれません。
同じプロジェクトに関わった同僚や、よく悩みを相談していた上司など、採用候補者の長所や強みをよく理解している人を選ぶといいでしょう。
ポイント3:丁寧に依頼する
推薦者を自分で依頼する場合は、頼み方に注意しましょう。
推薦者は貴重な時間を自分のために割いてくれるわけです。
丁寧に依頼した場合、推薦者がより良い回答をしてくれる可能性も高まるでしょう。
休職者がリファレンスチェックをどうしても拒否したい場合は
休職の経歴があり転職活動中の採用候補者で、リファレンスチェックを断りたい場合は、その旨を素直に伝えましょう。
リファレンスチェック以外の方法を検討してくれたり、前職や前々職の企業で推薦者を指定してくれたりと臨機応変に対応してくれるはずです。
相談せずに拒否してしまうと、「隠し事があるのではないか」と判断されて採用結果に響くことがあります。
少しでも良い結果になる可能性を高めるために、嘘はつかず不安なことを正直に話しておくべきです。
リファレンスチェックで休職がバレるリスクとリファレンスチェックを成功させるポイントまとめ
本記事では、リファレンスチェックの概要や休職がバレるケース、転職活動に影響しない休職理由などを解説しました。
最後に、休職経験者のリファレンスチェックのポイントをまとめます。
【休職経験者のリファレンスチェックのポイント】
- 休職の経歴を事前に伝える
- リファレンスチェックの推薦者には丁寧に依頼する
- 転職活動が不利にならない休職理由もある
休職経験者でリファレンスチェックを控えている方は不安かと思いますが、本記事を参考にリファレンスチェックに臨んでいただけますと幸いです。
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