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経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の特徴4選|エンジニア派遣やフリーランスも要注意

経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の特徴4選|エンジニア派遣やフリーランスも要注意一部のSES企業やIT派遣会社で、当然のように横行されている経歴詐称問題。

所属社員の意思ではなく、SES企業・IT派遣会社が案件を受注したいという思惑から、エンジニア社員に経歴詐称をさせていることが大半です。

そのため、SES企業・IT派遣会社の社員は「パワハラを受ける」「うつ病になる」「犯罪に加担させられる」など、不幸に巻き込まれる可能性が高いでしょう。

ここでは、SES企業・IT派遣会社による経歴詐称の実態や、それを見抜くためのポイントを解説します。

この記事でわかること

  • 社員に経歴詐称をさせるSES企業・IT派遣会社はあるか
  • SES企業・IT派遣会社が経歴詐称をさせる理由
  • 経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の特徴
  • 経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の対処法

 

社員に経歴詐称させるSES企業・IT派遣会社はあるか

ベンダーであるSES企業・IT派遣会社は、SES契約や派遣契約に基づき、社員をクライアント企業に常駐させておりますが、ともに仕事の成果に義務を負いません。

また、SES企業では社員に案件がなく待機期間が生じた場合でも給与の支払いが生じるため、極力待機期間をなくして案件を成立させる意図があると考えられます。

こうした背景から、一部のSES企業・IT派遣会社では、未経験でも経験者として経歴詐称をさせる実態があるのです。

 

SES企業の経歴詐称の実例

SES企業の経歴詐称は、未経験を「経験あり」とするようなケースが大半です。経歴を盛る程度も横行されています。

SES企業の経歴詐称の実例は、次のとおりです。

【経歴詐称前】

性別:男性

年齢:29歳

IT実務経験:3ヶ月の研修のみ

プログラミング経験:なし(研修受講3ヶ月のみ)

仕様設計経験:なし(研修受講1ヶ月のみ)

 

【経歴詐称後】

性別:男性

年齢:29歳

IT実務経験:あり(3年間)

プログラミング経験:あり(2年間)

仕様設計経験:あり(1年間)

実務経験がなくても、研修をしていれば経験ありとし、年数を盛るなどのケースが多いでしょう。

 

SES企業の経歴詐称は訴訟されるリスクも

一部のSES企業で、当たり前のように実施されている経歴詐称。

SES企業が社員に経歴詐称を強要していることが大半です。

経歴に大きな乖離があり、仕事の成果が著しく期待に伴わない場合、クライアント企業から訴訟を起こされるリスクがあります。

また、経歴詐称を強要するような悪質なSES企業は、社員に経歴詐称を強要した事実を隠ぺいする可能性もあり、社員が不利益を被るリスクがあり得るでしょう。

 

SES企業・IT派遣会社が社員に経歴詐称をさせる理由2選

ここまで、経歴詐称の実例や想定されるリスクを解説しました。

なぜ一部のSES企業・IT派遣会社では経歴詐称を横行しているのでしょうか。

ここでは、SES企業・IT派遣会社が社員に経歴詐称をさせる理由を見ていきます。

【SES企業・IT派遣会社が社員に経歴詐称をさせる理由2選】

  1. プロジェクトを早く受注するため
  2. プロジェクト単価が高くなるため

順に解説していきます。

 

理由1:プロジェクトを早く受注するため

SES企業や無期雇用・月給制のIT派遣会社は、社員に案件がない待機期間中は、売上がない状態で社員に給与を支払う必要があるため、待機期間中は赤字となります。

この待機期間を極力なくし、プロジェクトを早く受注するため、経歴詐称を社員に強要させることが理由の一つです。

少しでも経験値が高い方がプロジェクトが決まりやすいことから、経歴詐称をさせるのです。

 

理由2:プロジェクト単価が高くなるため

プロジェクト単価は、経験やレベルによって相場があり、経験言語のほか、経験年数やレベルが高いほど単価は高くなります。

ある企業の調査によると、SES料金相場は次のとおりです。

  • PG 下請け・フリーランス40万~80万円
  • PG 大手企業60万~100万円
  • SE 初級80万~100万円
  • SE 中級100万~120万円
  • SE 上級120万~200万円

企業規模によっても単価相場が変わるため、規模の大きくないSES企業・IT派遣会社の一部の企業で、プロジェクト単価を引き上げたい思惑も経歴詐称をさせる理由になっています。

 

経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の特徴4選

経歴詐称を強要させるSES企業・IT派遣会社で働くことは、将来的に候補者が常駐先でパワハラやうつ病などの被害を受けるなど、不幸に繋がる可能性が高いといえます。

そのようなトラブルを避けるために、経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社を見抜いておきたいですよね。

ここでは、経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社を見抜く上で、知っておきたい特徴4選を紹介します。

【経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の特徴4選】

  1. 未経験者を歓迎している
  2. 常に大量募集している
  3. 選考フローが極端に短い
  4. スキル不足でも面接・面談に合格する

順に解説していきます。

 

特徴1:未経験者を歓迎している

一部のSES企業・IT派遣会社は、経歴詐称をさせることを前提としているため、エンジニア未経験歓迎としている傾向が多くあります。

エンジニアとして市場価値のある経験を有する候補者は、高い報酬が見込める大手を志向するという採用市場の競争環境も起因しているでしょう。

「IT業界を未経験で目指すならSES企業」と安易に決めることは危険です。

 

特徴2:常に大量募集している

経歴詐称を強要するような悪質なSES企業・IT派遣会社は、とにかく売上を上げるために、やみ雲に大量募集をしている傾向もあります。

残念ながら一部のSES企業・IT派遣会社では社員を人材とも思っておらず、売上のコマと思っているような経営者もおり、常に大量募集をするような行為をしていることは否定できません。

常に大量募集をしているような、SES企業・IT派遣会社には留意が必要です。

 

特徴3:選考フローが極端に短い

一部の悪質なSES企業・IT派遣会社は、経歴詐称を前提としているため、候補者がどのような人物なのか見極める必要がないことから、選考フローが極端に短い傾向があると考えられます。

選考に労力や費用を必要以上にかけたくないという思惑があるのでしょう。

選考フローが極端に短く、違和感を感じるような場合は注意が必要です。

 

特徴4:スキル不足でも面接・面談に合格する

経歴詐称をさせる前提のSES企業・IT派遣会社では、候補者にスキル不足があっても採用することに影響はありません。

スキルが高い候補者は他のまともなSES企業・IT派遣会社に行くであろうことから、スキル不足の候補者を採用せざるを得ないことも起因しているでしょう。

 

経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の対処法3選

未経験からIT業界を目指すなら「SES企業・IT派遣会社」と、安易に採用された企業に入社するのは危険です。

ここでは、経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の見極め方、対処法3選を紹介します。

【経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の対処法3選】

  1. 募集要項を入念にチェックする
  2. 退職者の口コミを参考にする
  3. 入社した場合は転職を検討する

順に解説していきます。

 

対処法1:募集要項を入念にチェックする

募集要項で見るべきポイントは、次の3つになります。

【募集要項で見るべきポイント】

  • プロジェクトの受託方法
  • 社内研修の具体性
  • スキルに合わせた案件紹介

プロジェクトの受託方法が二重派遣の場合は、入念に確認する必要があります。

社内研修の記載内容が具体的でないケースでは、実際には研修実態がないこともあるでしょう。

スキルに合わせた案件紹介をしてもらえる内容になっているかも見るべきポイントです。

とくに未経験の場合、未経験でも可能なプロジェクトの紹介がなされるかをしっかり確認する必要があります。

 

対処法2:退職者の口コミを参考にする

退職者の口コミは、悪質なSES企業・IT派遣会社を見極めるのに有効な情報源です。

経歴詐称を強要させるようなSES企業・IT派遣会社を退職した社員は、多くの不満を抱えてネット上に口コミを書き込むでしょう。

複数の退職者が経歴詐称の実態を明かすような口コミがあるならば、そのようなSES企業・IT派遣会社にエントリーすることは控えることが賢明です。

 

対処法3:入社した場合は転職を検討する

経歴詐称を強要させるSES企業・IT派遣会社に入社した場合は、速やかに転職を検討することをお勧めします。

経歴を偽っているが故に、クライアントの常駐先で「解らないことを聞けない」「パワハラを受ける可能性がある」など、不幸につながることが目に見えています。

犯罪に加担することにも成りかねず、できる限り早期に転職するべきでしょう。

 

派遣元SES企業・IT派遣会社によるエンジニア経歴詐称は犯罪

派遣元SES企業・IT派遣会社による経歴詐称が犯罪に当たるかは、主に次の事項が考えられます。

  • 重大な経歴詐称であったか
  • 経歴詐称が原因で損害が生じたか

「経歴詐称がなければSES企業・IT派遣会社と契約することがない」というような重大な経歴詐称であった場合、SES企業・IT派遣会社が詐欺罪に問われるでしょう。

経歴詐称が原因でクライアント企業に損害が生じた場合は、クライアント企業からSES企業・IT派遣会社に損害賠償がなされる可能性があります。

 

フリーランスも自身が経歴詐称になっていないか確認を

フリーランスで経歴詐称をしているケースも少なからずあります。

フリーランスで経歴詐称をしていれば、仕事ぶりからすぐに判明します。

また、クラウドソーシングサイトなどでは低評価となり、先払いした案件の報酬を受けられないといったことも考えられます。

フリーランス自身が経歴詐称になっていないか、第三者の視点で改めて経歴を見直すことをおすすめします。

経歴詐称や経歴詐称の対処法についてもっと学びたいという方は以下の記事をご覧ください。皆様の経歴詐称に関する悩みが解決するはずです。

 

経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の対処法まとめ

本記事では、経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の特徴や対処法などを解説しました。

雇用先や派遣元の企業が経歴詐称を横行していると、社員や取引先など、多くの方にとって不幸になります。

そのため経歴詐称をしているSES企業・IT派遣会社は事前に見抜き、トラブルを防止しておきましょう。

最後に、経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の特徴・対処法をまとめます。

【経歴詐称をするSES企業・IT派遣会社の対処法】

  • 募集要項を入念にチェックする
  • 退職者の口コミ・評判を調べる
  • 入社後はすぐに転職を検討する
  • この記事を書いた人

『Parame Magazine』編集部

株式会社Parame『Parame Magazine』編集部。多くの企業の採用支援や副業マッチングサービス運営の経験をもとに、人事・採用領域に携わる皆様のお役に立てるメディア・情報発信をしていきます。

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