第二新卒採用を検討している採用企業の中には「第二新卒採用と中途採用の違いって?」「第二新卒採用の実施方法は?」と疑問に思っている方も多いでしょう。
第二新卒採用には多くのメリットがあり、第二新卒採用を実施する企業も増えています。
そこで今回は、第二新卒採用のメリットや実施方法、第二新卒採用を成功させるためのポイントを解説します。
この記事でわかること
- 第二新卒採用とは
- 第二新卒採用のメリット
- 第二新卒採用の実施方法
- 第二新卒採用のポイント
- 第二新卒採用の企業事例
目次
第二新卒採用とは?
第二新卒採用とは、卒業後に一度就職し2、3年で転職活動をしている若手の採用候補者を採用することです。また、卒業までに就職先が見つからず、就職浪人している採用候補者の採用を指す場合もあります。ただ、年齢には明確な定義はなく、25歳前後であることが多いです。
第二新卒の採用候補者が転職活動を始める理由としては、働きがいやキャリアを求めて理想に合う採用企業を求めていたり、ワークライフバランスが取れる採用企業を探していたりとさまざまです。
第二新卒採用と中途採用の違い
第二新卒採用と中途採用の違いは以下のとおりです。
項目/採用形態 | 第二新卒採用 | 中途採用 |
採用候補者の社会人経験 | 3年以内 | 3年以上 |
採用候補者に求めること | ポテンシャル | 専門的なスキル |
第二新卒採用と中途採用の違いは、一般的に「社会人としての経験年数」を基準としています。第二新卒採用は新卒から3年以内、中途採用はそれ以上と捉えている企業が多いようです。
また、採用候補者に求めることとして、第二新卒採用は将来的な成長を見込んだ「ポテンシャル採用」、中途採用は即戦力を見込んだ「専門的なスキル」である場合が多いです。
第二新卒採用が増えている理由
厚生労働省が発表しているデータによると、入社して3年以内に離職する新卒者は約35%も存在します。
このように新卒で入社した企業で長く働き続けることなく転職活動をする人が増えているため、第二新卒採用が増えています。
その他に、第二新卒が増加している理由としては、主に以下の2つ考えられます。
【第二新卒採用が増えている理由】
- 採用市場の変化
- 採用候補者のキャリア観の変化
採用企業はこうした背景を踏まえた上で、第二新卒採用の実施をするべきでしょう。
以下では、それぞれの理由について詳しく解説します。
第二新卒採用が増えている理由1:採用市場が変化している
第二新卒採用が増えている原因として最も大きいのは、売り手市場による新卒採用人数が不足していることです。
採用企業は新卒採用で採用予定人数に達することができない場合、第二新卒採用枠を増やして対応しています。
第二新卒採用が増えている理由2:採用候補者のキャリア観が変化している
新卒で入社後、採用候補者がすぐに転職活動を始める理由としては以下のようなものが挙げられます。
- 業務への不満
- 会社の将来性への不安
- 人間関係への不満
- 給料が低い
これまでは終身雇用が当たり前でしたが、新たに希望する条件や環境を求めて転職活動を始める方が増えています。
さらに「転職するなら少しでも若いうちに」という気持ちから、入社2.3年という早さで転職活動を始める第二新卒が増えているのです。
したがって企業の離職率も当然増加し、新卒者に近い第二新卒採用枠を増やして対応している状況となっています。
第二新卒採用のメリット
第二新卒採用を実施するメリットは、以下3つ挙げられます。
【第二新卒採用のメリット】
- 採用時期を柔軟に調整できる
- ポテンシャル採用が可能
- 教育コストの削減
順に解説していきます。
第二新卒採用のメリット1:採用時期を柔軟に調整できる
新卒採用は、基本的に4月入社に合わせて採用スケジュールを組みます。
一方で第二新卒採用は中途採用と同様に明確な入社時期が決まっていないため、採用スケジュールの調整が可能です。
忙しい時期を避けて採用業務が行えることは、採用担当者の負担軽減に繋がります。
第二新卒採用のメリット2:新卒採用と同様のポテンシャル採用ができる
第二新卒採用は、新卒採用と同じようにポテンシャル採用を取り入れられます。
ポテンシャル採用とは、人柄や意欲の高さなどから将来的な能力を見込んで採用することです。第二新卒者は社会人としての経験が浅く、スキルや実力は十分ではありません。
だからこそ自社で教育・育成することを前提とし、新卒採用と類似した基準で採用判断をします。
第二新卒採用のメリット3:採用後の教育コストを抑えることができる
第二新卒採用と新卒採用の違いは、「社会人としての経験があるかどうか」です。
数年とはいえ基本的なビジネススキルやビジネスマナーを身につけていることは、採用企業にとっての大きなメリットとなります。
というのも新卒は入社するとこのようなマナー研修から仕事がスタートしますが、第二新卒にはその必要ないからです。
教育にかかるコストを抑えられるだけでなく、早い時期から即戦力となってくれることでしょう。
第二新卒採用のデメリット
第二新卒採用には、いくつかデメリットもあります。
【第二新卒採用のデメリット】
- 採用候補者が前職と比較しがち
- 中途採用よりも知識やスキルが浅い
順に解説していきます。
第二新卒採用のデメリット1:採用候補者が前職と比較しがち
採用候補者は一度他の企業に入社しているので、どうしても前職と比較してしまいます。「前の会社より良いな」と思ってもらえたら問題ありませんが、「前の会社より条件や環境が良くないな」と思われる可能性も。
第二新卒だからこそ感じてしまう部分もあるでしょう。この点から考えると新卒よりも離職のリスクが高いので、慎重に採用を決めることが重要だといえます。
第二新卒採用のデメリット2:中途採用よりも知識・スキルが浅い
第二新卒での採用候補者は社会人としての基本的なビジネスマナーは新卒採用より身についているものの、中途採用ほどの実力やスキルは持っていません。
今後のポテンシャルに期待して採用することになるので、即戦力を求めているのであれば第二新卒採用は向いていないでしょう。
第二新卒の採用方法
第二新卒採用には新卒採用や中途採用にはないメリットが多くあり、「第二新卒採用を検討したい」と考えている採用企業も多いのではないでしょうか?しかし第二新卒に限定して募集をかけるのは、なかなか難しいことです。
ここでは第二新卒採用を実施する方法を、3つご紹介します。
【第二新卒の採用方法】
- 第二新卒人材特化の採用サイトを活用
- 第二新卒人材特化の採用イベントに出展
- 大学のキャリアセンター訪問
順に解説していきます。
第二新卒の採用方法1:第二新卒人材特化の採用サイトを活用する
一番効率的なのは、第二新卒人材特化の採用サイトを活用することです。
中途求人サイトなどでも「第二新卒特集」などが組まれている場合もあります。
求人サイトへの情報には、必ず「第二新卒歓迎」などの言葉を残し、採用候補者の目に止まるような工夫をしましょう。
第二新卒の採用方法2:第二新卒人材特化の採用イベントに出展する
第二新卒採用の情報は中途採用と一緒に掲載されていることが多く、採用候補者も情報を得るのに苦労します。
そこで、第二新卒人材に特化した合同企業説明会や転職イベントへ出展することも検討してみてください。
第二新卒の採用候補者に限定した説明ができたり、採用したいと思える人材を見つけ出せたりと多くのメリットがあります。
第二新卒の採用方法3:大学のキャリアセンターに訪問する
大学のキャリアセンターに訪問し、募集の旨を伝えておくこともおすすめです。
キャリアセンターは卒業して3年以内なら利用できるため、第二新卒の採用候補者が相談に来ることが多いからです。
新卒採用に関する業務で訪れた時などを利用して、キャリアセンターと良好な関係を作っておきましょう。
第二新卒採用を成功させるポイント【失敗を防ぐ】
せっかく第二新卒採用を実施するなら、採用企業にとってプラスとなる人材を見つけたいですよね。
ここでは第二新卒採用を成功させるために、気を付けておくべきポイントをご紹介します。
【第二新卒採用を成功させるポイント】
- 採用候補者のニーズを把握する
- 新卒・中途採用とは違う採用基準を設ける
順に解説していきます。
第二新卒採用のポイント1:第二新卒採用における採用候補者のニーズを把握する
第二新卒採用を成功させるには、採用候補者がどのような条件を求めているのか把握しておきましょう。
採用候補者のニーズの例としては以下のようなものが挙げられます。
- 業務内容
- 休日や勤務時間
- 社内の環境
せっかく採用が決まっても、ニーズに合わなければ早期離職に繋がってしまいます。採用候補者が自社に合うかどうか正確に見極めることが、採用ミスマッチを起こさないポイントです。
第二新卒採用のポイント2:新卒・中途採用とは異なる採用基準を設ける
第二新卒採用では以下の点に留意して採用基準を設けましょう。
- ポテンシャル面
- スキル面
理想としては、「一定のスキルを持ちつつ、今後の伸び代が期待できる候補者」が良いでしょう。
第二新卒採用のポイント3:第二新卒者向けに人事制度を整える
第二新卒採用を成功させるには、人事制度を整えておくことも大切です。
第二新卒者の採用を検討している場合は、新卒採用や中途採用と全くの別枠で考えて準備を進めましょう。
第二新卒採用を実施している大手企業の事例【採用担当者必見】
第二新卒採用は、大手企業でも数多く実施されています。
今回ご紹介する企業事例は以下のとおりです。
【第二新卒採用を実施している大手企業事例】
- ソニーグループ株式会社
- シャープ株式会社
- ヤフー株式会社
順に解説していきます。
第二新卒採用の事例1:ソニーグループ株式会社
ソニーグループ株式会社は中途採用枠として、第二新卒採用を取り入れています。中途採用との詳しい違いは、記載されていません。
しかし正規雇用者における経験者採用の割合は2020年度で37%と約4割を占めており、第二新卒での採用も少なくないと考えられます。
第二新卒採用の事例2:シャープ株式会社
シャープ株式会社は、最終学歴卒業から3年未満という条件を満たす採用候補者を、第二新卒採用として募集しています。
募集要項は、新卒採用とまとめて記載されています。
第二新卒採用の事例3:ヤフー株式会社
ヤフー株式会社は、2016年10月から新卒一括採用を廃止して、第二新卒や中途の募集を開始しています。
年齢は30歳以下で、ポテンシャル採用を重視しているとの記載があります。
第二新卒採用のメリットと第二新卒の採用方法まとめ
今回は、第二新卒採用のメリットや採用のポイントをまとめました。
第二新卒の採用候補者は、
- ポテンシャル採用が可能
- 社会人としてのマナーを身につけている
など新卒採用と中途採用のメリットを両方持ち合わせており、採用企業にとっても嬉しい人材だといえるでしょう。
しかし前職と比較して離職してしまうリスクがあることや、中途採用ほどのスキルを持ち合わせていないなどのデメリットも。
大切なのは、「第二新卒採用」としての枠組みを作り、独自の人事・教育制度を準備しておくことです。
今後も第二新卒は増加すると考えられます。企業として優秀な人材を見逃すことがないように、採用基準などを明確にしておきましょう。
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